フィリピン日記 20160606

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2016年6月6日(月)

まだ体の力が抜けていて、ちょっと立ち直れていない。午後2時からAninoのメンバーたちが全体ミーティング&Paschalの見送りランチをするというので、会いに行った。みんな忙しすぎてほとんどのメンバーがと会えていないので、せめてhelloとthank youを言いたいと思った。直前までなんだかんだと作業が終わらず、Grab TaxiでQuezon Ave. Stationの駅直結モールへ。

ところが実はここは集合場所で、他のメンバーはこのあとレストランで待ち合わせだという。そんなわけでAndrewとLaya、遅れてやってきたNonoとしか会えなかった。私はこのあと『演劇クエスト』があるので30分くらいしか時間がない。モール内のフードコートでシュウマイをつつきながら、LayaとNonoにSOMATOでやったこと・起きたことを大急ぎで話した。それでも日本に帰る前に会いに行けてよかった。

今回、演劇クエストは午後3時スタートで、遅くとも午後3時30分にはサントラン駅からスタートしなければいけなかった。少し出発時刻をオーバーしてしまい、ひやひやしながらMRTとLRTを乗り継いでサントランへ。車窓から茶色く濁った川が見えた。

駅を出るとすでにKARNABALの人たちが集まっていた。彼らの多くは二人組で参加しようとしているらしい。つい「演劇クエストは一人で体験するのを強くおすすめするよ!」と断言してしまったけど、何人かの緊張した表情を目にして少し反省した。ここは日本じゃないのだ。

先に行くねと断って出発した。ここから先どんなルートを辿ったかは、演劇クエストのサイトに「冒険の記録」を投稿したのでここでは書かない。時間があったらぜひリンク先を読んでみてください。

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まちの人たちはすでに何かが起こっていることに気づいていて、けれど詮索するでもなく、即興で楽しんでいた。行く先々で私たちを待ち受けていたかのように、まあちょっと座っていきなさい、なんて言ってくれるのだった。なんだか夢の中の世界みたいで、いくつもの奇跡が起きてしまった。たぶん忘れられない。そういう仕掛けというか、魔法がこの作品にはある。

終演後、川沿いの集合場所で、今晩日本に帰ってしまう予定の中澤くんを待っていたが、現れなかった。次のショーの時間が迫っていたので、Brandon、David、Ness、Ralphと一緒にMasiglaへ。ビールを飲んでしまったので、酔い覚ましのコーヒーを買いにMatalinoのファンシークレープに立ち寄った。ここはBrandonとDavidが初めて会った場所らしい。Sipatの準レギュラー的なふたりを通じて、少し違う角度からSipatの姿が見えてきて面白い。

私がChrisのプレヴューを観て号泣した話から「人生史上一番つらかった年はいつか」という話をしながら会場であるChrisの自宅まで雨の中を歩いた。20代の若者が多いSipatに比べて、彼らは私と同じ30代。たいして長く生きてるわけじゃないけど、やっぱ多少は、いろいろある。

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( Photo by Brandon Relucio / KARNABAL FESTIVAL 2016)

Chrisの『Play-Cebo』は導入シーンの演出が大きく変わっていた。子ども向けのフルーツジュース(果汁0%の粉のやつ)の代わりにビールが出てきたり、彼らが子供の頃使っていたおもちゃだけでなく、ジェンガでアイスブレイクをしたり。「子ども時代」を注意深く避けている感じがした。それ以降のシーンは大きく変わらなかったが、やはり子供っぽい要素がだいぶ削減されていた。

終演ではサーベイへの記入を求められ、一気に現実に引き戻される。清潔度、快適さ、パフォーマーたちの親しみやすさなどを点数化する。Chris自身のトークの助けもあり、「experience economy」(たとえばキッザニアみたいな)をテーマにした作品だということがクリアになったし、プレヴューでの私の反応が彼の意図から外れていたこともよく分かった。とてもユニークで野心的なコンセプトだと思う。

それでも、だからこそ、もしかしたら「子ども時代」にこだわった方が、よりグロテスクな作品になったのかもしれない、とも思う。でもどっちがよかったのか、未だに分からない。終演後、Brandon、Ness、Ralphとハンバーガーを頬張りながらそんな話をした。ついでに、昨年初めて参加したKARNABALから1年経ってどんな風に印象が変わったか、日本でこうしたフェスティバルやアーティストたちはいるのか、観客はどんな反応なのか、などなど。すっかり話し込んでしまって、次のBuunyの24時間ショーを観に行く頃には0時を回ってしまった。

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( Photo by Brandon Relucio / KARNABAL FESTIVAL 2016)

『Vera Maningning’s 24 House Soul Preservation』はBunnyの中にあるもう一人の(トランスジェンダーな)人格―Veraが24時間にわたって歌い続ける、という作品。その間、彼女は食事も排泄もしない。朝7時からスタートし、私たちが会場に着いた頃にはすでに17時間が経過していた。静まり返った会場で頭からレースをかぶって顔を覆い隠したVeraはじっと座り込んでいたが、10分ほどすると立ち上がった歌い始めた。その歌声が思った以上に力強く、かつユーモラスで驚いた。ポップスを歌っていたのが、しょうもなく、美しく見えた。観客も笑っていた。

1時を回った頃、Malingap通りを歩いてホテルへ帰った。帰ったらAlonの作品『Tren』を観ていたちからさんから「日本人チームも全員終わったからみんなで飲もう」と数時間前にメッセージが入っていた。今から店に行っても、もう帰っちゃってるだろうな。こっちに来てからWi-Fiがつながるところでしか連絡が取れないので、こういうことがよくある。中澤くんとも会えずじまいだった。無事マニラを発ったのか気になったが、確認する元気もなく寝てしまった。

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(Photo by Ness Roque-Lumbres)

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