フィリピン日記 20160601

2016年6月1日(水)

ついにKARNABAL初日を迎えてしまった。JKが友達に借りてくれたおかげで、フレンチプレスのコーヒーメーカーが3つくらい揃った。12時にMariaと待ち合わせの予定だったが、彼女が勘違いしていて現れず、やってきたのは2時頃。しかしこんなことは超よくあるので、イライラしている場合ではない。今日すべての買い出しを済ませるのは無理だが、とりあえずスーパーで手に入りそうなものに絞ってトライシクルで買い出しへ。

コーヒー豆はあるが、足りなくなった場合やおかわりに備えてインスタントコーヒーも購入。以前、JKから「あなたは何のために目覚める?」というネスカフェのCMはみんな知ってる、と聞いていたので、最安ではないがネスカフェを選択。そしてフィリピンの人はコーヒーを飲むときクリームと砂糖が欠かせないため、これも想定人数全員分を調達。ペーパーカップと最低限のナプキンは買ったが、皿やスプーンは使い捨てではなく、JKの家のものを借りることにした。パヤタスのゴミ山を見てから、あらゆるゴミが燃やされることなくあそこにただ積まれていくのだなとつい想像してしまう。

JKの家に戻ったのは4時頃。5時からKARNABALのオープニングイベント。メイン会場のPapet Museoに行くと、Sarahが「カオリはもう到着してるよ、でもリキたちと一緒に飲みに行ったみたい」と教えてくれた。鳥公園の西尾さんがオープニングから数日間、KARNABALを観に来ると聞いていた。そしてSipatのメンバーで執筆の仕事もしているNess 責任編集によるKARNABAL公式ムックが完成していた。彼女のメッセージ “We’re here and we’re alive. WTF!”にシビレた。

開幕のパレードはJKたちが故マルコス大統領一家など政治家に扮して行う政治批判的なショー。昨年に比べると少し小規模かつメッセージ性が強くてにぎやかではなかったが、フィリピンが大統領選に湧いた今年ならではの演出だったように思う。

そしてオープニング第一弾を飾ったのはJKたちの劇団、Sipat Lawin Ensembleによる『HARING+UBU-L GRAND SHOWDOWN』。政治家たちの汚さを戯画的に描いた作品で、過剰な性器、汚物、血にまみれた「Sipat史上、一番 汚いショー」(JK談)。俳優たちは今夜、初演から6年ぶりに再集合し、一切の稽古なしで再演、という企画だった。作品の内容以前に、こういう上演の仕方自体をコンセプトにした企画って日本ではあまりない。なぜそんなやり方で上演するか?といったら、舞台上の完成度を高め過ぎないことで「演劇をその場で立ち上げていく」ことへの観客の参加度を引き出しているのだと思う。という言語化は、あとでちからさんと話をしてから出来たことだけど。

俳優たちも、主演の3人に加えて今回が初出演のAlon(彼女の専門はプロダクション・マネージャー)や、客席にいた主演俳優の劇団の仲間も急遽舞台に引っ張りあげられ台本を片手に熱演。昨年のKARNABALでも同じくJK演出で、遠距離で稽古してきた母娘役が初日と翌日で役を入れ替えて演じ、しかも不意に演出のカットで演技を中断されては観客の質疑応答を挟みながら進めていく、という上演があった。

殺される王の役も観客(俳優の知人)が指名されてその場でセリフの書かれたカードを渡されて演じた他、何人かまったく初見の観客も舞台に引っ張りあげられて、排泄物に見立てた代物を舐めさせられたり、最前列の観客は血しぶきで靴やバッグが真っ赤に染まったり(いわゆる血糊ではなく水に溶いた絵の具みたいなものなので、洗濯したら落ちそうだけど、すごい量)ともう何がなんだか分からないくらい巻き込まれていた。西尾さんも私も舞台に上げられて、へんなかつらをかぶせられ、便器に入ったピーナツバターを舐めさせられたのだった。観客参加型というか観客巻き込み型というか、観客巻き込まれ事故という感じ。

終演後は、西尾さんやちからさん、りっきーと一緒にFlying Houseへ。後から合流してきたDavidに当日のファシリテーションの流れを共有しつつ、10の質問の英訳を見てもらう。私が英語で書いた質問についてひとつひとつ意図、想像させたくないこと/させたいこと等を説明。特に言外に「これから死ぬ」というネガティブな印象を与えないことに注意しつつ、現在から見た未来ではなくて、「死の直前という時制から、現在にとっての未来を“すでに起きたこと”として振り返る」にはどんな言い方をしたらいいのか、言い回しの調整を手伝ってもらった。深夜1時、なんとか質問は完成し、ふらふらしながらホテルへ帰った。明日は朝から花を探しに行く。

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