フィリピン日記 20160509

2016年5月9日(月)

週明けの月曜は大統領選挙。目覚めると窓の外を通る車や人が少なく、妙に静か。数日前から熱中症のような症状で怠さや目眩がつらい。街中が休む今日一日くらいはおとなしくしていようと思っていたが、階下のカフェのテレビもお年寄りの会話も選挙一色で、さすがにじっとしていられなくなった。

フロントの女性に、この地区の投票所はどこ?と訊くと、Malaya Elementary Schoolだと教えてくれた。トライシクル乗り場にも今日は一台もいない。たまたま拾えたトライシクルは屋根のある座席に氷を積んでいたので、ドライバーの後ろに乗って出発。パッキパキの晴れ、炎天下。

トライシクルのおじさんは、ニケツという距離感のせいかとてもフレンドリーで、お互い自己紹介したり、通りがかりのおじさんの友だちを紹介されたりしながら投票所へ。人、わさわさいた。どおりでまちが静かなはずだ。
ここはMalaya Barangay Hall(マラヤ公会堂) と隣り合っている。後舎の前でウロウロしていたら、係の女性にどうしたの?と声をかけられ、投票の様子を見に来た、外からでいいので少し見学させてほしいと説明すると、中に入れてくれた。しかも、係員の人に案内させるという。

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投票は、あらかじめ通知された番号に従って張り出された表で自分の名前を探し、割り当てられた部屋で投票用紙に記入する仕組み。室内には監視人(watcher)がずらっと。誰に投票するか何時間でも考えていいらしく、試験でも受けるようにみんな紙を前に考え込んでいる。

日本では若者があまり選挙に行かないのが問題になってる、と話すと、こっちでは若者も年寄りも盛り上がる、特に若い子は初めての選挙の時なんか大興奮よ!え、ねえ日本では票読み機は使ってるの?と前のめり。帰りに、選挙で不正や喧嘩はダメ絶対(タガログ語)、みたいなポスターをもらった。

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Pinyahan(ピニャハン) Elementary Schoolに行ってごらん、もっと沢山いるから!と言われ、改めてトライシクルを拾ったら、最初のトライシクルのドライバーの友だちだった。到着してみると、校門の前のサリサリ(街角のキオスクみたいな小売店)は屋台も出しているし、通りも装飾されて、ちょっとしたまちのフェスティバルみたい。投票所になっている教室の廊下には、人が外まで溢れながら長い列を作っている。浮足立った運営スタッフが石段から転げ落ち、顔面から流血。叫ぶ人あり、走る人あり。会場を出ると銃を持った兵士が交通規制していた。

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ピニャハンのあたりは初めて来たエリアだったので、とりあえず歩いてみる。よくいえば下町風情、悪く言えば…だが、落ち着いていて個人的には心地よい。道端のマリア様の風情よ。とはいえその横では、ここを住まいにしているらしいおじいさんと子どもが、炎天下で横たわっているのだけれど。

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にしても暑い。日陰で立ち止まって休んでいると、トライシクルのお兄ちゃんと近所のおじいさんが寄ってきて、どこに行きたいの?と声をかけられる。さっきMalayaのバランガイホールのそばで大きな教会を見かけたのを思い出し、そこに連れて行ってほしい、と話すと親切に道案内付きで連れてきてくれた。おかげでだいぶ、ざっくりした地図が頭のなかに描けてきた。

今日のまちや人々は、祭りのようで、同時に静まっているような、不思議な雰囲気。昨日まで必死で、今日はもう粛々と、人事を尽くして天命を待つ…という感じなのだろうか。すでに祭りのあと感さえ漂っているような。

夜、選挙のための酒類販売禁止が解けた0時から飲もうぜ!ということになり、JK、Clyde、Yukoさんたちと繰り出す。Matalino(マタリノ)通りのシェーキーズ前でYenyenが合流。一緒にいた友だちはリアリティ番組(若者が一軒家で5ヶ月共同生活をしながら、無茶なタスクを次々に与えられこなしていく、電波少年的な番組)で有名になったらしい。Yenyenは昨日、初出演する映画の撮影を終えたばかり。ナース役でヌードありの重要な役どころ。

0時を回ってもなぜかサリサリは(トラブルを恐れてか)酒を売ってくれず、タクシーでCubaoのクラブに行くことに。途中で合流したClydeの親友(PHSAの同級生でJKの元教え子)は出合い系サイトで知り合った男の子とデートを2回戦も終えてきたところ…。他にも若い子たちが次々合流してきて、飲んで踊って笑い転げて、店を出たのは午前3時過ぎ。踊り狂うYukoさんがめちゃくちゃ面白くて、フィリピンの若い子たちをとりこにしていた。私は体調不良のせいかこっちに来てからテンションが低くて、酒も飲まずにほとんど座っていた。

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この狂騒(?というには可愛いものだけれど)の背景には、いよいよ開票が始まった副大統領選のデッドヒートがある。マルコス元大統領の息子を、彼らが支持するレニが追い抜いたのは午前3時〜4時頃だったようだ、私はすでに帰宅していたが、まだ店に残っていたYukoさんやClydeたちは祝杯を上げたらしい。

ちなみに大統領の方は、暴言・放言で物議をかもしながらも有力候補とされていたドゥテルテが当選。彼は南部ミンダナオ島にあるダバオ市長から出馬し、言語の異なる(ビサヤ語)フィリピン大統領は史上初。ドゥテルテもレニも、ただ書類にサインだけしているようなタイプの政治家じゃないから、これから半年間で政策はかなりドラスティックに変わると思う、ちょっと怖い、とJKが話していた。

こっちに来てから(ほんの一週間足らずだけれど)、もちろんポスターや支持者たちの運動は街中で見かけたけれども、想像していたほどの興奮や盛り上がりを肌で感じることは少なかった。どこでやっているの?と訊いたところ、「今はほとんどFacebook」との答え。実際、JKはマルコスの息子のことを批判する投稿をしたところ、親戚縁者や故郷の知り合いたちから大量の非難コメント・メッセージが届いたらしい(彼の故郷は地域ぐるみでマルコス支持)。

そういえば週末にはAninoのメンバーであり、私とのコラボレーションの主要メンバーであるAndrewから「今週、Maginhawaの方へ会いに行くよ!」と連絡をもらった。いつ来るの?と尋ねると「選挙が終わったら :)」と返事がきた。

 

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